国際数学者会議
(2002.9.2)
今年は4年に1回の『国際数学者会議』(International Congress of Mathematicians:ICM)の開催年です.24回目にあたる今回のICM,お隣中国は北京で8月の20日から28日まで開かれました.
○ICM 2002
○The International Mathematical Union(IMU:国際数学連合)何故こんな会議を「今月の話題」で取り挙げるかといえば,そう,ICMでは「数学のノーベル賞」とも言われる Fields Medal(日本ではフィールズ賞と言われますね.「フィールズ・メダル」だとピンと来ませんね)と,計算機科学分野の Nevanlinna Prize(同じくネヴァンリンナ賞)の受賞者が発表される(た)からです.
フィールズ賞の話題は新聞等にも載るのでご存知の方も多いでしょう.でも Nevanlinna Prize って一般的にはどうなんでしょうね(私も知りませんでした).第1回のICM は1897年の開催だそうで,100年以上の歴史があるわけですが,最初の Fields Medal (Fieldsは人の名前です.John Charles Fields:カナダの数学者で賞創設の基金提供者)が与えられたのは1936年.対して Nevanlinna Prize (これも Rolf Nevanlinna という人の功績を称えて)が創設されたのは1982年で,相対的な歴史の浅さも一般的な知名度に響いているのでしょうか.(単に対象分野の広狭からかもしれません)
○Fields Medal の小史(pdfファイル)(AMS:アメリカ数学会)
○Fields Medal/Nevanlinna Prize の解説・過去の受賞者(IMU)さて,すでに発表されているように,今回の受賞者は
【Fields Medal】
Laurent Lafforgue氏 (Langlands Program に於ける功績)
フランス高等科学研究所(Institut des Hautes Études Scientifiques:IHES)所属Vladimir Voevodsky氏 (代数多様体のコホモロジーの理論の展開)
プリンストン高等研究所(Institute for Advanced Study:IAS)所属【Nevanlinna Prize】
Madhu Sudan氏 (probabilistically checkable proofs)
マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology:MIT)所属の御三方です.(→ アメリカ数学会による解説はこちら)
数学では権威のある賞でも,ノーベル賞ほどの盛り上がりがないように思われるのは,これらリンク先のサイトを見てもお判りになるように,門外漢には何のことだか見当もつかないものを扱っているからなんでしょうね,たぶん.
次回は2006年です.次の受賞者はあなたかも?
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